医療保険について(外国人の出産育児一時金を例に挙げて)
現在、原則日本では日本に住所を置くすべての人が社会保険もしくは国民健康保険に加入しなければならない。
国民健康保険法とかの条文の書き方は別にして、社会保険(面倒だから公務員もいれちゃう)に入っていない人は、必ず国民健康保険に加入しなければいけないこととなっている。
しかし、現在外国人を筆頭に日本人であっても、何の保険にも加入せずに無保険状態で手続きをせずにずっといる人が本当に増えている。
まず、根本的な問題は
社会保険に入っていない人が必ず加入しなければいけない国民健康保険が本人申請を出発点としていることだ。
法律的には強制加入なのにもかかわらず、本人申請にたよっており、入りたくない場合は、なにも届け出なければいいだけなのだ。
したがって会社をやめて以降国保に加入せず、病院にかかりたいときにだけ、国保の加入手続きをすればいいということになる。同一市町村にいた場合は社会保険をやめた日にさかのぼって手続きという話になるが、それでもまったく病院にかからない場合は丸々保険料を削減できるという寸法だ。
細かく言うと
過去時効を迎えない範囲での保険料<医療費の保険負担分(医療費の7割)
になった場合だけ届出をすればいい。
ここで人類の叡智の結晶ウィキペディアを紐解いてみると
保険(ほけん、英語:insurance)は、偶然に発生する事故(保険事故)によって生じる財産上の損失に備えて、多数の者が金銭(保険料)を出し合い、その資金によって事故が発生した者に金銭(保険金)を給付する制度。以下では主に日本における保険(私保険)について記述する。
未来に起こるかもしれない病気怪我に対して、あらかじめお金を出し合って、相互扶助すること。
もはやわたしの扱っている国民健康保険は保険ではないのかもしれない。
また、国保の核である考え方に「給付と徴収は分けて考える」というものがある。
原則、いくら保険料を滞納しようと、その国保の7割負担やその他の医療費の戻し分、出産育児一時金、葬祭費にかかるまで給付に制限をかけるのは許されない。
(例外的に現物給付である限度額認定証(入院・高額外来の窓口負担を抑えられるもの)を発行できない等はある)
ここで日本に来て半年の外国人女性がいる。
入国して以来なんの保険にも入っておらず、アルバイトのみの労働をしてきた。
今回母国に一時帰国している際に出産したといって、役所の門をたたく。
「ワタシコドモウンダ、トモダチ42マンモラエルッテイッタカラキタ」
まず彼女の住所や、在留の資格、社会保険をもっているか、また雇っている会社が不正に社会保険にいれていないだけではないかという可能性を調べ、
晴れて国保に入国日から国保の取得となり、国保の給付をさかのぼって受けられることとなる。
現在の出産育児一時金は出生証明書と、支払いがわかる領収書をもってきてもらいその出産の有無を確認し、一律42万円が支払われる。
42万円を受け取ったのだし、しっかり保険料を払ってくださいといい手続きが終わり。
そして彼女は一度も保険料を払うことなく半年後帰国した。
保険料を取り立てることもできず、国保からは42万の支給だけ残る。
彼女としては母国での出産費用(物価の安い国であれば10万いかない)と渡航費用を42万から引いた額を、ボーナスとして母国に持って帰ることができたわけだ。
そしてこんなことが何度も何度もある。
ただ加入拒否、支給拒否はできない。
毎度、事務をしていてなんともやりきれない。
こんな不条理がまかりとおっている。
まだまだ氷山の一角なんだけどね。